雨漏りの調査方法と特徴を解説!信頼性の高い結果を得るためには?
雨漏りは、住宅や建物の所有者にとって頭痛の種です。
屋根や壁に生じる漏水は、建物の損傷や家具の損壊、カビや菌の発生、資産価値を損なうなど、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。
そのため、雨漏りの原因を正確に特定し、適切な修理対策を取ることが重要です。
この記事では、一般的な雨漏り調査の方法と特徴についてご紹介します。
目次
雨漏りの調査方法と特徴
雨漏りの調査方法は業者や建物の状況により異なりますが、一般的な雨漏りの調査方法は以下です。・目視調査
・散水調査
・紫外線投射発光調査
・赤外線サーモグラフィー調査
ひとつずつ特徴や流れをご紹介します。
目視調査
目視調査は、雨漏りの原因を特定するための基本手法です。以下が目視調査の具体的な流れです。
1.外部視察
最初に建物の外部を詳しく視察します。屋根や外壁、窓枠、排水設備などを注意深く確認します。
目立つダメージや劣化、ひび割れ、外部からの浸入経路となりうる箇所を特定します。
特に屋根の瓦やシートの状態、屋根周辺のシーリング、雨樋や排水口の詰まりや破損、窓やドアの隙間などは注意が必要です。
2.屋内調査
外部視察が終わったら、建物内部に移ります。屋根裏や天井、壁、床などの内部を調査します。
漏水の痕跡やシミ、カビや湿気の兆候を探します。また、水道設備や排水管などの関連部分も確認します。
小屋内や基礎床下内、天井、壁のシミ・変色、湿った場所やカビの生えている箇所、排水管や給水管の漏れ、床の変形や浮きがないか詳しく調査します。
3.漏水箇所の特定
目視調査中に漏水の痕跡やシミを見つけた場合、それがどの箇所から漏れているのか特定します。
水の流れやシミの形状、水滴の痕跡などを考慮し、漏水箇所を推測します。
目視調査の特徴
目視調査は特別な機器や道具を使わず建物の外観や内部を直接観察するため、比較的低コストで実施できる手法と言えます。
その分調査業者の経験や知識に依存しています。漏水箇所の正確な特定や微細なダメージの検出には限界があり、誤った診断の可能性には注意が必要です。
また、目視では確認しづらい隠れた問題や潜在的なリスクは見逃されることがあります。
実際の調査では散水調査などほかの手法と合わせて行うため、あくまで補助的な手法です。
費用の相場は、1万円から5万円程度です。
散水調査
以下が散水調査の具体的な流れです
1.現地調査
屋根や外壁などの雨漏りの可能性が高い箇所を視察し、損傷や劣化、接合部のチェックなどを行います。
2.散水調査の実施
専用の散水装置やホースを使用して建物の部位に水をかけます。
水は一定の圧力でかけられ、建物の外壁や屋根の表面等に均一に散布されます。
散水によって漏れてくる箇所が目視で確認できるようになります。
3.漏水箇所の特定
散水調査中に建物の外壁や屋根に水がかかると、漏水してくる箇所が目視で確認できます。
水が染み出たり、滴ったりする箇所を観察し、漏水の発生源を特定します。
特に、目に見えない微細な漏れも散水調査によって確認できる場合があります。
散水調査の特徴
散水調査は、目に見えない微細な漏れや損傷も特定できる特徴があります。
水が染み出たり、漏れたりする箇所を観察することで、建物の潜在的な問題を発見することができます。
散水調査によって、早期に漏水箇所を特定することができ、漏水による被害を未然に防ぐことができます。
また、予防的なメンテナンスや修理を行うことで、建物の耐久性や水密性を確保する役割を果たします。
漏水箇所が視覚的に確認できるため、目視調査の補助的手法として活用されています。
散水調査の費用相場は7万円から10万円程度です。
紫外線投射発光調査(レインボービューシステム)
1.現地調査
漏水の浸入箇所の可能性のある箇所を目視調査で確認します。
2.散水
専用の調査液を使い、散水調査で漏れ事象が確認された浸入口と思われる箇所に専用の調査液を散布した後、紫外線を照射して色が変化するのを確認します。
3.紫外線投射(レインボービューシステム)
調査対象の表面に紫外線ランプや光源を照射します。
漏れが発生している場合は、散布した専用の調査液が散布した各7色に発光し、損傷箇所が視覚化されます。
紫外線投射発光調査(レインボービューシステム)の特徴
紫外線投射発光調査(レインボービューシステム)は発光する箇所を目視で確認することで、建物の所有者や関係者が実際に雨漏りが発生している箇所を自分の目で確認することができます。
そのため調査を行う側には分かりやすく、調査を依頼した側はしっかりと納得することのできる調査結果になります。
また、散水箇所ごとに検査液の色を変えることで雨漏りが複数箇所あった場合でもどこから入ってきたものなのかが分かります。
そのため潜在的な問題箇所を特定し、効率的な修理や予防策の立案に役立つ方法として利用されます。
紫外線投射発光調査(レインボービューシステム)の費用相場は16万円から25万円程度です。
赤外線サーモグラフィー調査
1.調査範囲の選定
調査する範囲を選定し、カメラを使用して建物の外観や内部の熱分布を測定します。
主に屋根、外壁、窓、ドア、配管などが対象となります。
2.測定の実施
カメラを建物の表面に向け、赤外線の放射を測定します。
カメラは熱の放射を感知し、建物の異なる部位や構造物の異常な熱パターンを観察し、熱画像として表示します。
3.熱画像の解析
測定結果である熱画像を解析します。
目視では確認できていなかった異常な熱パターン、水漏れの可能性などを特定します。
赤外線サーモグラフィー調査の特徴
赤外線サーモグラフィーは建物や構造物に物理的なダメージを与えることなく、非接触かつ非破壊で調査を行うことができます。
天井裏や高所などの目視確認ができないような現場でも、異常を把握することができるので、雨漏りの問題箇所の特定や漏水予防のメンテナンスにも効果的です。
屋内外の熱環境の影響を受ける場合に原因箇所の特定に至らない場合があります。
赤外線サーモグラフィー調査の費用相場は10万円から50万円程度です。
まとめ
一般的な雨漏りの調査方法には、目視調査、散水調査、紫外線投射発光調査、赤外線サーモグラフィー調査などがあります。目視調査は外観や内部を目で確認。散水調査は水をかけて漏水箇所を特定します。
紫外線投射発光調査は特殊な検査液を散布することで漏水箇所を特定します。
赤外線サーモグラフィー調査は異常な熱パターンを可視化します。
各調査方法の特徴は、目視調査は状態や潜在的な問題を把握できるが見えない箇所や微細な漏れは特定できない可能性があります。
散水調査は早期に漏水や損傷箇所を特定できるが総合的な状態把握が難しいです。
紫外線投射発光調査は散水箇所ごとに検査液の色を変えることで雨漏りが複数箇所あった場合でもどこから入ってきたものなのかが分かります。
赤外線サーモグラフィー調査は異常な熱パターンを高感度で検出できるといった特徴があります。
重要なポイントは、調査実績のある業者を選ぶこと、報告書の提出を求めること、複数の業者から見積もりを取ることです。
また、業者の信頼性や経験、実績も考慮し、総合的な判断を行いましょう。
適切な調査と報告によって、雨漏りの原因を正確に特定し、適切な修理や予防策を行いましょう。
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経歴
建築設計事務所にて中高層建築物を中心とした企画・設計・監理に従事。
2005年以降は不動産開発デベロッパーでマンションの企画開発を中心に、仕入・販売の活動を行う。
その後、確認検査機関にて営業戦略の策定、支店開設を行い、執行役員を経て検NET株式会社を立ち上げ、代表取締役就任。
一般社団法人全国住宅技術品質協会理事。