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ホームインスペクション(住宅診断)とは?役割やメリットを解説!

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この記事では、重要視され始めているホームインスペクション(住宅診断)の意義や必要性、そしてメリットについて詳しく解説します。


この記事の要約

  • ホームインスペクション(住宅診断)は英単語であり、一般的には「検査」や「点検」といった意味を持つ
  • 売主目線のメリットは信頼性を高め、将来のトラブルリスクを抑えられる
  • 買主目線のメリットは安心感納得感を得ることができ、修理費用を考慮した交渉が可能になる
  • 一般的には、おおよそ4万円~5万円程度が費用相場
  • 検査時間は2時間~3時間程度

目次

ホームインスペクション(住宅診断)とは

ホームインスペクション(住宅診断)とは、建物検査員が中立的な立場から住宅の状態を確認し、国の基準に従い建物の基礎や外壁のひび割れ雨漏り等の不具合を目視や機器で確認し、それらの情報を報告書として提供する調査です。 


ホームインスペクション(住宅診断)の意味と目的は?

「ホームインスペクション(住宅診断)」は、英単語であり、一般的には「検査」や「点検」といった意味を持ちます。不動産業界においては専門家が建物や設備の状態を詳細に調査し、問題や損傷、劣化箇所を特定します。

これにより、買い手や所有者は実際の建物の状態を正確に把握し、将来的なトラブルを予防することができます。早期に発見したり修理の必要性を把握することで、買い手は価格交渉や売買条件の調整を行い、公正な取引を実現することができます。所有者も建物の状態を把握し、必要な修繕や改善を行うことで将来的なトラブルを回避することができます。


瑕疵保険との違い

ホームインスペクション(住宅診断)と瑕疵保険検査は、目的や内容においていくつかの違いがあります。
ホームインスペクション(住宅診断)は、上記したように建物や設備の状態を専門家が詳細に調査し、問題や損傷、劣化箇所を特定することを目的とします。

一方、瑕疵保険検査は、特定の保険に加入するために行われる検査です。一定期間の保険に加入するためには、特定の基準を満たしている必要があります。
瑕疵保険検査では、建物の構造や設備の安全性、品質などが審査されます。もし検査結果に不適合箇所がある場合、保険の加入が制限されることがあります。

つまり、ホームインスペクション(住宅診断)は建物の状態を把握しトラブルを予防するための調査であり、瑕疵保険検査は特定の保険に加入するための基準を満たすかどうかを確認するための検査です。


ホームインスペクション(住宅診断)実施のメリット

メリット

ホームインスペクション(住宅診断)の実施によって売主側と買主側それぞれにどのようなメリットがあるでしょうか。 詳しく見ていきましょう。


メリット (売主目線)

・信頼性を高められる
・将来的なトラブルリスクを抑えられる

ホームインスペクション(住宅診断)は第三者機関が実施するため、売主の主観的な情報やアピールに頼るのではなく、中立的な評価結果を提供します。
これにより、買主側はより信頼性の高い情報を入手できます。その結果、売主と買主の間に信頼関係が構築しやすくなります。


ホームインスペクション(住宅診断)によって早期に問題箇所を発見し、修繕や補修を行うことで、将来的なトラブルやクレームのリスクを減らすことができます。
買主に対して物件の良好な状態を示すことで、売却プロセスを円滑に進めることができるでしょう。


メリット (買主目線)

・購入時に安心と納得を得られる
・修理費用を考慮に入れた交渉ができる

ホームインスペクション(住宅診断)を受けることで、購入者は物件に関する詳細な情報を得ることができます。
これにより、買主は購入の際に安心感と納得感を得ることができます。物件の状態や潜在的な問題を把握することで、将来的な不安要素を軽減できます。

ホームインスペクション(住宅診断)によって、見た目では分からない潜在的な問題や欠陥が明らかになります。
これにより、買主は修理や交換が必要な箇所を把握し、将来的な費用を考慮に入れた交渉を行うことができます。適切な価格交渉が可能になり、購入後の予期せぬ出費を軽減することができます。


ホームインスペクション(住宅診断)の検査項目や注意点

検査項目

ホームインスペクション(住宅診断)の基本的な検査項目や必要になる場面をご紹介します。


ホームインスペクション(住宅診断)の検査項目と時間

ホームインスペクション(住宅診断)の基本的な検査の内容は以下の通りです。

構造耐力上の安全性に問題のある可能性が高い劣化事象等
部位の例:基礎、土台及び床組、床、柱及び梁、外壁及び軒裏、バルコニー、内壁、天井、小屋組

雨漏り・水漏れが発生している、又は発生する可能性が高い劣化事象等
部位の例:外壁、内壁、天井、屋根

設備配管に日常生活上支障のある劣化等が生じている劣化事象等 

その他、ホームインスペクション(住宅診断)は戸建住宅の場合は約2〜3時間、マンションや区分所有物件では約1.5〜2時間の時間が必要とされます。
多くの場合、状況調査講習者の建築士が1名で実施します。 実施にあたり、居住者様には床下点検口を開けられるように物の移動をお願いすることがあります。

また、床の傾斜を感じたり、過去に雨漏れがあった場合などは、ヒアリングを行うこともあります。
以上が、ホームインスペクション(住宅診断)の基本的な調査項目や注意点です。


ホームインスペクション(住宅診断)が必要な場面

不動産売買の流れの中で下記3つの場面にホームインスペクション(住宅診断)が登場します。

媒介契約締結時(仲介会社との媒介契約)
宅建業者がホームインスペクション(住宅診断)業者のあっせんの可否を示し、媒介依頼者の意向に応じてあっせん

重要事項説明時
宅建業者がホームインスペクション(住宅診断)結果を買主に対して説明

売買契約締結時
基礎、外壁等の現況を売主・買主が相互に確認し、その内容を宅建業者から売主・買主に書面で交付


ホームインスペクション(住宅診断)にかかる費用相場は

費用相場

ホームインスペクション(住宅診断)の費用は大きく分けて、基本料金、オプション料金、報告書作成料金の3つの要素があります。

基本料金は、対象箇所の検査に必要な費用です。対象箇所の面積やオプションの有無によって費用が変動します。
一般的には、おおよそ5万円前後が費用相場とされていますが、具体的な料金は業者によって異なる場合があります。

オプション料金は、追加の調査や特定の項目に対する詳細な検査を依頼する場合に発生する追加費用です。
基本料金に含まれていない項目や特定の要望に対して、追加料金が発生することがあります。
どの点検が基本料金に含まれるか、どこからがオプション料金となるかは、業者によって異なるため、事前に確認することが重要です。

報告書作成料金は、ホームインスペクション(住宅診断)の結果や所見をまとめた報告書を作成するために発生する費用です。
報告書は買主にとって重要な文書であり、ホームインスペクション(住宅診断)結果や提案された修繕や改善の内容が記載されています。

上記の説明を参考にしつつ、具体的な料金やサービス内容については、選択した業者に確認してみましょう。


ホームインスペクション(住宅診断)の意義

ホームインスペクション(住宅診断)の全体的な概念としては、以下のような図で国交省より発表されています。

国交省引用画像
国交省ホームページより)

イメージ図より、建物状況調査は基準に則って、建物の主要な部分を中心に各部位を広く全般的に見る内容であり、原因の分析や、瑕疵があるかないかを詳細に行う調査ではないところが、ポイントです。
イメージとしては、「目視できる対象を全般的に見る検査」であり、まさに基本の検査かと思います。

こんなお話を聞くことがあります。

「目視や簡単な機器の測定で家の状態が正確にわかるの?」
それに対して図には、二次的ホームインスペクション(住宅診断)のイメージがありますが、建物状況調査(一次的なホームインスペクション(住宅診断))で基本的な内容を確認し、不具合等があれば、必要性や要望に応じて二次的な詳細調査を行っていくことが書かれています。

不動産は基本的に高価な買い物であり、トラブルも多いので、建物状況調査の意義としては最低限の基本の検査くらいはやりましょう。ということになります。

更に詳細が必要となる二次的な調査の場合のケースとしては
・外壁、基礎のクラックが大きい、鉄筋が露出してサビている等の場合 ・水シミ雨シミ ・床や壁の傾斜値が6/1000を超えている場合

このように、既存住宅流通の売買仲介の現場では段階的なホームインスペクション(住宅診断)の活用が馴染むのです。
水シミ雨シミが指摘される場合は、雨水の浸入ヶ所や原因を特定し、補修する必要性もありますが、「どこへ問合せすればいいの?」 という現実的な問題にあたり、仲介営業担当者があちこちに問合せしても対応できず、困る場合が多々ございます。


気になる民法改正の内容と状況調査の活用

2020年4月、民法に大きな改正がございました。
「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」という言葉に変わり、買主(消費者)保護の観点が強化された内容になっていると考えられます。

追完履行 (補修や修理を行ってもらう)
代金減額 (代金から減額してもらう)

新たにこの2つの方法が追加されました。 契約の目的を達していない場合について、法的手段も取りやすくなったと言えます。
個人間売買の場合によくあるのが、売主は免責とし、建物は現状有姿として売買されるケースです。
購入し、入居した後に通常通り生活できるのか、買主には不安が残ります。

前述しましたが、ホームインスペクション(住宅診断)(建物状況調査)は目視中心ですが、 最低限「これだけは」「これぐらいは」実施した方が良い内容の調査です。

不適合が無い場合や、適切な補修を行った場合には瑕疵保険の申込に活用できる場合があります。
ホームインスペクション(住宅診断)の料金の相場は、概ね 4万円~5万円程度です。 検査時間は2時間~3時間程度で完了します。(床下進入調査の実施やオプションにより異なります)
報告書は一般的に5日間程度で提出されます。


宅建士誕生により、士業となる

2015年4月の改正宅建業法では取引主任者から取引士へ名称が変わりました。

それに伴い、新設された第15条の「宅地建物取引士の業務処理の原則」には、
“「宅地建物取引士は業務に従事するときは、宅地また建物の取引の専門家として、購入者などの利益の保護および円滑な宅地または建物の流通に資するよう、公正かつ誠実にこの法律に定める事務を行うとともに、宅地建物取引業に関連する業務に従事する者との連携に努めなければならない」”
と記されております。

士業となった事で宅建業者ではなくて宅建士が購入者などへの利益の保護を図るため、必要に応じて関連する業者と連携を構築しなければなりません。
宅建士の役割は益々重要になると思われます。


アメリカの活発な不動産ホームインスペクション(住宅診断)活用の状況

日本とアメリカでは売買契約の慣習が異なるようですが、契約後に買主がホームインスペクション(住宅診断)を行い、不具合がある場合、契約の条件に合わない場合等、アメリカでは解除出来る契約が多いようです。

また、アメリカでのホームインスペクション(住宅診断)実施率はとても高く、8割程度の割合で行うようです。
日本では、中古住宅の瑕疵保険の事故発生率は新築と比べて多いので、検査を行い、 なるべく保険の加入をする方が買主にとって良いかもしれません。

瑕疵保険が適用されるのは、構造や雨掛かりにかかわる事象にのみ適用されます。 現状は雨漏れによる事故で保険を適用するケースが多い様です。

昨今は局所的な大雨や大型台風の発生頻度も高まっておりますので、中古住宅購入時に、ホームインスペクション(住宅診断)の検討は必要かと思います。


調査員も新たなステージへ

調査員

一昔前は中古住宅の調査と言えば、雨漏りした時や何かの不具合が発生した場合に行うことが多かったと思います。
現在のように売買流通の中で、不具合等がないかを検査するケースが、ホームインスペクション(住宅診断)制度(改正宅建業法施行後)開始後は、多くなりました。

技術者(調査員)にとっては技術的知見や実務の事以外にもマナーやプライバシーへの配慮等、サービス業としての側面も必要とされ、様々な要素に対応する所作も見につけなければならない事になり、研修の大変な時が一時期ございました。

検NET(株)は技術的内容だけではなく、マナーやプライバシー面も合わせた研修を、机上や現場で何度も繰り返し行っております。 現在、登録済みの調査員は全国約3万6千人となっております。(5団体登録人数 2021年3月現在)


まとめ

中古住宅の売買においては、ホームインスペクション(住宅診断)が重要な役割を果たします。
売主は信頼性を高め、将来のトラブルリスクを抑えるためにホームインスペクション(住宅診断)を行います。
一方、買主は安心感と納得感を得ることができ、修理費用を考慮した交渉が可能です。
建物の構造や設備の状態を詳細に把握することで、双方の利益が守られるのです。

ホームインスペクション(住宅診断)では、建物の安全性に問題のある劣化事象や、雨漏り・水漏れの発生が予測される劣化事象、設備配管における日常生活への支障のある劣化事象などが検査項目として含まれます。

中古住宅を購入する際には、ホームインスペクション(住宅診断)の重要性を理解し、専門家のアドバイスを受けながら、安全で快適な住環境を手に入れましょう!


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代表取締役社長
代表取締役社長松田 隆模

経歴

建築設計事務所にて中高層建築物を中心とした企画・設計・監理に従事。
2005年以降は不動産開発デベロッパーでマンションの企画開発を中心に、仕入・販売の活動を行う。
その後、確認検査機関にて営業戦略の策定、支店開設を行い、執行役員を経て検NET株式会社を立ち上げ、代表取締役就任。
一般社団法人全国住宅技術品質協会理事。

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