建物状況調査の費用は?追加費用のかかるオプションや検査内容を解説
中古住宅の人気が高まる中、購入を検討する際に建物の劣化状況などを客観的に評価してくれる建物状況調査を利用される方が増えてきました。
ここでは建物状況調査の費用や調査内容についてご紹介しますので、中古住宅の購入を検討されている方はご一読ください。
この記事の要約
- 建物状況調査は中古住宅を購入する前に、専門家が建物の劣化状況や欠陥を調査
- 建物状況調査の費用は5万円~10万円程度が相場
- 左記が主なオプション検査 「給排水管路検査」「床下、小屋裏進入検査」「設備稼働検査」「電気設備検査」
- 建物状況調査は、基本的に目視や非破壊検査で行われる
目次
建物状況調査とは
中古住宅を購入する前に、専門家が建物の劣化状況や欠陥を調査するのが建物状況調査です。建物状況調査は、建物の基礎や外壁、屋根などの重要な部分を調査します。
宅建業法で平成30年4月1日以降に中古住宅の媒介契約を結ぶ際は、建物状況調査の実施の可否を売主・買主へ説明することが義務付けられています。
建物状況調査は中古住宅の価値やリスクを把握する為の重要な検査です。
建物状況調査の費用は?
建物状況調査の費用は調査する建物の規模や構造、調査項目などによって異なります。
一般的には5万円~10万円程度の費用がかかります。
調査対象の建物が大きければその分費用は高くなります。
また、調査項目に関しても検査の全体的な費用である基本料金のほかに、特殊な検査や検査項目の追加を希望の場合は、オプション費用が別途発生しますので見積りで調査項目と費用をしっかり確認しましょう。
建物状況調査のオプション追加
建物状況調査の費用は、調査項目でも変わるとお伝えしましたが、実際にはどのようなオプションがあるのか見ていきましょう。
一般的に以下のような検査がオプションとなっています。
・給排水管路検査
排水設備が正常に機能し漏水がないか、給水給湯管が正しく接続されているか、水が出るかを検査します。
・床下、小屋裏進入検査
建物の床下や小屋裏に進入して、点検口からでは目視できないような構造部材や金物、断熱材、配管の状況を確認します。
また、漏水やシロアリの蟻害の有無についても確認します。
・設備稼働検査
キッチン、UB、洗面台、トイレなどの計10種類以上の設備機器が、故障や不具合なく使用できるかどうかを確認します。
・電気設備検査
コンセントやアースなどの電気配線、分電盤、情報系配線の接続状況や住宅用火災報知器の作動確認を検査します。
実際に検査される際はご自身が希望する項目がしっかりと検査項目に入っているかのチェックは忘れずに行いましょう。
建物状況調査のメリット
建物状況調査を行うことで購入後の修繕やメンテナンスの必要性を事前に知ることができ、思わぬ出費やトラブルを未然に防ぐことができます。
また、建物の劣化状況を把握することで、今後どのようなメンテナンスが必要になるのか、その時期や費用を具体的に想定しやすくなります。
これにより、計画的なメンテナンスを行うことで、住宅の資産価値を維持することができます。
建物状況調査のデメリット
建物状況調査のデメリットは、専門家が目視や非破壊検査によって行うため、費用がかかる点と目視可能な範囲に限られるので、すべての劣化や不具合を見つけられるわけではないという点です。
費用は上述したように一般的には数万円~10万円程度発生します。
劣化や不具合に関しては壁の中などの目に見えない部分は発見できない可能性があります。
建物状況調査を実施する際には、信頼できる調査会社を選ぶことが肝心です。
調査会社によってオプション項目も費用も異なりますので複数の調査会社を比較検討することがおすすめです。
建物状況調査の調査項目
建物状況調査の調査項目は構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分です。
調査は、目視や非破壊検査によって行われます。
構造耐力上主要な部分
部位:基礎、柱、梁、床、屋根 etc
これらは建物の構造を支える部分で安全性や耐久性に大きく影響するため、特に注意して検査を行います。
ひび割れや腐食などの劣化や不具合の有無を確認します。
雨水の浸入を防止する部分
部位:屋根、外壁、屋根裏、天井 etc
これらは雨水が建物内に浸入しないようにする部分です。
不具合がある場合、雨漏りやカビなどの原因となります。
これらの部分を検査することで建物の劣化状況を把握し、修繕やメンテナンスが必要かどうかを判断します。
まとめ
中古住宅を購入する際には、建物状況調査の実施をおすすめします。建物状況調査は、専門家が建物の劣化状況を調査するものです。
この調査により、購入後の修繕やメンテナンスの必要性を事前に把握し、思わぬ出費やトラブルを未然に防ぐことができます。
しかし、建物状況調査には5万円~10万円程度の費用がかかるため、費用や内容を十分に理解した上で、検討するようにしましょう。
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経歴
建築設計事務所にて中高層建築物を中心とした企画・設計・監理に従事。
2005年以降は不動産開発デベロッパーでマンションの企画開発を中心に、仕入・販売の活動を行う。
その後、確認検査機関にて営業戦略の策定、支店開設を行い、執行役員を経て検NET株式会社を立ち上げ、代表取締役就任。
一般社団法人全国住宅技術品質協会理事。